『文読む月日』-1月6日

文学

君が自分の欲情を制しえないで、何度罪に陥っても、けっして絶望してはならぬ。欲情との闘いを続ければ続けるほど、その力は衰え、それに対する勝利を容易にするのである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

トルストイ自身が若いころは放蕩生活を送っていたらしいですから、欲情については結構多く見ることがあります。

自分の経験からすると結局、歳を取ったら欲が少なくなってきますから若いうちはどうしようもないのではと思いますが(ある種レディネスの問題ではないかと思います)、この哲学的には日々の戦いの積み重ねで欲情に勝つことができるようになるとのことです。

まず、人間は欲情に対して我慢するには本質的に心が弱く過ちを犯しがちであることは認めており、それでも努力を続けることに意味があり、その過程こそが人間的な価値を作り、欲情に勝つまで成長できる秘訣であると。
一歩引くと人間は自分の意思で肉体的な欲求を制御できる、自由意思があるという信頼を前提にしている思想だとも思います。

自己改善しようと努力する人へのエール、という感じですね。

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