『文読む月日』-6月8日

文学
善と真とは車の両輪である。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

善と真実が信仰の実践を進める車輪の右と左という風に理解しますが、この言葉自体は特にどこの誰が言ったということではないようですね。
トルストイのオリジナルということになります。

オリジナルといっても新規性があるわけではなく、
儒教では知と仁が両立してこそ君子足り得るし、仏教では智慧なき慈悲は盲目であり、慈悲なき智慧は冷酷であるというように徳を二軸にして言い表すようなことはたくさんあるようです。
キリスト教的には真理(truth)と愛(agape)が神の性質であるという風に考えるそうです。

もちろん、この文はオリジナルであることに価値があるのではなく、その周辺にある洞察を包含して表現できているというところに、この本の中での価値があるわけですね。

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