『文読む月日』-3月31日

文学

自分の中に排撃しなければならないようなものがないか、自分で急いで検討するがよい。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

善き生活の実践に障害となるものを見つけたら、すぐに態度を直さなければいけないという自律に関するテーマですね。
内省は信仰の基本ですね。
良心に従う、神の教えに従う、教師に従う、色々あると思いますがそこですることは内省です。
これは祈りの本質というような表現も見つけたことがあります。

他人がどう考えようが、内省して良心に従うことが大事なのであるとは説話の中でも出てきます。
キリスト教はもともと偶像崇拝を禁止していますが、旅する教導者が立ち寄った農村で、農夫が質素な木彫りの神をあがめて祈っていることに怒ったことがあります。農夫はその説教を理解できませんでした。その後神が現れてむしろ教導者を戒めたという話です。
形式や儀式の仕方ではなく、心からの内省をし神を求める信仰心こそが大事だという話ですね。

自分の中にある排撃しなければならないようなもの、世間体や俗な欲望、怠惰など、どんな形式であれ宗教であれ、心からの内省をすることが善い生活の実践のはじまりというわけですね。

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