『文読む月日』-1月17日

文学

もしも諸君が人に向かって善を教えることができるのに、それをしない場合、諸君は己の兄弟を失うことになる。(中国の格言)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

中国の格言、というのが出典が無いので何かは不明なのですが、近いかなと思うものとして
『論語』の「仁者は、己立たんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す」ともありますね。
孟子の「四端の心」の実践という意味でも通じるでしょうか。
また、仏教などほかの宗教でも布施や教化は善行とされていますね。

善を教えないことで、その人(ひいては社会全体)に悪影響を与えてしまうという実際的な利害もそうですが、善を知る人がそれをしなかった時点で自己評価が損なわれるのではないでしょうか。

善いと思っていることはそれだけでは価値がなく、実践していかないと意味がないという実践主義的な思想が示されていると思います。

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