『文読む月日』-7月3日

文学
一人の、あるいは少数者の奴隷となってはいけない。もし万人の奴隷となれば君は万人の友となるであろう。(キケロによる)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

一人あるいは少数者の奴隷というのは文字通り人の奴隷になることを意味すると思いますが、万人の奴隷というのは神の奴隷になるということでしょう。
この箴言は古代ローマのキケロの言葉ですからキリスト教誕生以前、ストア派哲学の文脈で読むと社会的動物は公益のために生きるように生まれついており、ストア派の大きなテーマである「自然に適った生活を送る」という意味合いに含まれる考えと言えるのかなと思います。

古代ローマに育ったキリスト教もストア派の思想を取り入れています。
すべての人に奉仕することが最も自由である、つまり神の奴隷になる人は誰の奴隷にもならないというキリスト教思想の元ネタとも言えますね。

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