『文読む月日』-7月29日

文学
神は己れの霊すなわち理性を、われわれが彼の御旨を理解してこれを遵奉するようにと与えられた。しかるにわれわれは、それを、自分の恣意を満足させるために用いている。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

明確に理性は神の一部である霊と言っていますね。
今私たちが考える、脳みそが司る理性とは別の意味合いだと考えた方がよさそうです。

人間に理性を与えられたのは、理性の本性である良心を遵奉するためであると考え、しかしそれが肉体的欲求を満たすために使われていると言っています。それが間違いであり、善く生きることができないので不幸になってしまうということを暗喩しているわけです。

動物の中でも人間を特別視することや理性があることが神の存在を直感させる根拠になるとか、今考えるとある種の傲慢さを感じる考え方ですが、今でもそのフレーバーを感じることは多々ありますね。
汎神論が謙虚かというとそうではないと思いますが、無理筋の理屈で武装していく必要は少ないでしょう。

良心に従っていきるべきであって、欲求に従うだけの人生が不幸につながるという教えには同意できますが、やはりそれを支える理屈に同意することは難しいと感じます。

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