人間に力が与えられているのは、弱者をいじめるためではなく、これをいたわり、これを助けるためである。(ジョン・ラスキン)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
弱きを助け強きを挫くという諺と同じですね。
この諺は、松亭金水 『花筺』という江戸の任侠物の歌舞伎が初出らしいです。
1841年のことらしいですから、意外とジョン・ラスキンと同じ時代ということになります。
お互いなにか影響を与えていたらロマンチックですが恐らく無関係でしょう。
諺の方に入ってしまいますが、この言葉は任侠を表す成句だったらしく、当時の武士の横暴に犯行するヤクザや町人義賊、口入屋なんかが代表的な題材となっていたらしいです。
ジョン・ラスキンの方はもっと人間一般に与えられた同情や互助性という本能のことを言っているように思います。
当時は産業革命により弱い立場の市民、子供までもが過酷な労働を強いられ不健全な生活を送っていました。
このような世情を憂いての言葉だったのかもしれません。
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