『文読む月日』-6月6日

文学
復讐を思う者の傷口はいつまでも新しいままである。もし復讐を考えなければ、傷はすぐ治るであろうに。(ベーコン)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

人を呪わば穴二つみたいなことでしょうか。
他の日にも、悪口を言うものは相手と自分とそれを聞いた第三者を不快にさせるというような言葉もありましたが、復讐となるともっと重い話ですね。

復讐の原動力は痛みですから、復讐を強く思えば痛みを鮮明に思い出すということは説明できそうですね。
このベーコンという人はおそらく16世紀イギリスのフランシス・ベーコンかと思います。
「知識は力なり」とか経験論、経験哲学の祖としてヴォルテールに影響を与えた人物ということで、この『文読み月日』によく引かれるメンバーに関連がありますね。

悪に報いるには善を以てなすべしというのがトルストイをはじめ多くの原理宗教が採用する思想ですから、そのことを言いたいために採用された箴言だと分かりますね。

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