『文読む月日』-6月4日

文学
ある物、ある習慣、ある法律が尊重されていればいるほど、本当にそれが尊重に値するかどうかを、注意深く調べなければならない。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

慣習に対して無条件に従うのではなく、今自分たちに意味あるものなのかをチェックする態度は大事だということですよね。
まさにその通りだと思います。

この言葉を聞くと有名なたとえ話を思い出します。
実験室に入れられたサルが部屋の中心にぶら下げられている餌をとろうと、その餌に手が届く高さの脚立に近づくと水を掛けられます。
何度かチャレンジしますが、毎回水を掛けられるのでその内諦めて脚立に触ろうとはしなくなります。
そのうち、何の事情も知らないサルが1匹追加されます。
追加されたサルは餌に気付いて脚立に近づこうとするのですが、先住サルが止めてしまいます。
その内それが慣習になって、サルを次々入れ替えていき水を掛けられた経験がないサルたちだけになっても脚立には近づかないようになったという話です。

自分たちに実態が分からない物についてこそ、慣習だけを受け入れるのではなく実態を知ろうとする態度を忘れないようにしたいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました