『文読む月日』-5月6日

文学

人間が動物より上だというのは、動物を冷酷に苦しめうるからでなくて、彼らをれむからである。(仏陀の教え)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

強い力を持つ者が上なのではなく、精神的優位を持っているから上だということを言いたいんだと思います。
現代からしたらそれも傲慢に感じます。
生命に優劣はないと考える方が現代的でしょうね。

人間が優位に見えるのは人間が支配し得る生き物に対して力で勝っているだけであって、生命の尊さとは無関係であると考えますし、精神的な優位でさえ、人間本意の尺度であるために他生物と同じ秤で優劣を考えられるものではないでしょう。

ただし、他の生き物に対しても憐みや尊重を持つことは大事だと思います。
それが信仰に入ってくるとどうしても肉食の罪や生存圏争いなど暗い面が出てきてしまうので難しい話になってしまいます。
ここは人間も単なる動物であり、神に特別に寵愛された生き物ではないという考えに落ち着くのはいかがでしょうか。

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