『文読む月日』-5月25日

文学

他人の悪口を言ったり、君のことを褒めたりする人の話は、聞かないほうがいい。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

社会に出ていると思い当たる節がたくさんありますよね。
大昔からそうなのでしょう。

悪口については他の日でも取り上げられているテーマですね。
単に人を悪く言うことはよくないということですが、理屈としては相手をいたずらに不快にさせることは不和をもたらしますから愛とは反対の行動です。
人類社会に不和をもたらすことは悪と数えられます。
また、自己の良心も傷つけることになるうえに、それを聞いた人の心にも傷をつけますので両者のほかにも第三者にとっても害のあることです。
最近では職場のトキシックワーカーも問題に取り上げられ、糾弾されるようになりましたね。

そして、他人を変えることは非常に困難であるという現実がありますから、せめて君は近づかない方がいいということに落ち着いているのでしょう。

もう一つ、君のことを褒めたりする人、というのもありますが、これは心からの称賛や労いの心からそうしてくれる人についてはどうなのでしょう?
素直に考えると、おべっか、ごますり、皮肉などで褒める人の話を聞かない方がいいのは想像がつきます。
そのような人は自己の利益(時には周りの不利益)のために褒めるわけですから、そのままの意味の「褒める」ではありませんね。
一方で、自身の心の謙虚さ、正しさというものを重視した時、正当に褒められたことで驕ったり謙虚さを失うことを恐れるのであれば、褒めてくる人から距離を取るという話も一応納得できます。
ただ、それは相手の思いやりを無下にするようにも思え、それは愛とは離れた行動な気もします。
素直に喜んで受け入れつつ、信仰を思い出して益々気を引き締めればいいのではないでしょうか。
どんな肉体的逆境にあっても信仰の実践を求めるくらいですから、褒められたくらいで弱気にならないでほしいですね。
勝って兜の緒を締めよですよね。

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