『文読む月日』-5月12日

文学

今すぐにもこの世に別れを告げねばならないかのような、残された時間を思わぬ贈り物と受け取るような気持で生きるがよい。(マルクス・アウレリウス)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

映画『最高の人生の見つけ方』みたいなことですかね。
おもしろいですよね。マルクスアウレリウスは紀元121年の人ですから1900年くらい前から最高の人生の見つけ方を提唱していたわけですね。

普通にこの言葉を受け取れば今を一生懸命生きないという今となってはありきたりなメッセージになりますね。
少し考えるとすると、彼はストア派哲学者でしたから、その死生観が強く出ているのかなと思います。
マルクスアウレリウスの『自省録』ではストア派哲学の考え方が色濃くでており、特に死生観については、死は恐れる対象ではなく、生を真剣にする力であるというような思想も出てきます。
メメントモリの考え方ですね。

また、残された時間が贈り物と言うことで受け取るこちらも謙虚に取り扱わねばという気持ちになりますね。なりませんか?

マルクスアウレリウスは時のローマ皇帝でしたから、死の危険は常に付きまとっていたはずです。
そんな人が考え実生活に取り入れていた死生観ですから、説得力もあるというものですね。

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