その全存在をもって善(神)を愛する人は、己の不死を疑うことができない。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
この考えも肉体と精神(霊)が別物であるという二元論の前提で考えられたものだと思います。
己の不死とは、精神(霊)の不滅性のことを示唆しており、それは現世では信仰で強化されるものと言われています。
つまり、肉体は滅ぶけれども神の一部である霊は神と同様不滅だから死という概念が適用されないことを確信するようになる、ということですね。
個人的には精神は肉体から発生していると思いまし、信仰は精神の働きで実現するので肉体が死ねば精神も死ぬと思っています。
ただの物質がここまで複雑に組みあがって色々な営みをするようになることこそがこの世の各種法則、仕組みの大本の神秘を裏付けており、人間の認識を超えた何かがあるはずなので神を感じる、という考えには同意できます。
しかし、神に人格を見出したり、霊が物理的な世界から外れたものであるということはまだ納得できる話を見たことがありませんので納得していません。
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