知らざるを恐るるなかれ、むしろ誤れる知識を恐れよ。誤れる知識こそ諸悪の根源である。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
無知は無害だが迷妄は害であるというようなことはよく書かれています。
賢者は必要なことだけを知っていて、その他についてはまるで無知であるというようなことも書いていますね。老子のような考えと親和性がありますね。
誤れる知識というのは、俗世に合わせた方がむしろ善い生き方だとか、神は実在しないのだから信仰に意味はないとか、差別や弾圧は仕方ないものだから目をつぶるものだとか、つまり良心に反することを肯定するようなことをイメージしているように思います。
(神の存在が良心に関わるかというのは、宗教による感覚だと思います。)
良心に反することを変に理屈づけて強化してしまうことに害悪たる理由があるのだと思います。
人間は感情で決定したことに理性で理由づけをする生き物ですから、迷妄を生んでしまうのは人間の性ですね。
意識して気を付けたいものです。
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