人からよく言われたいと思うなら、自分で自分のいいところを並べ立てないがいい。(パスカル)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
この言葉は今の日本でも素直に受け取れる言葉だと思います。
処世術みたいな箴言ですが、普遍的なことなんでしょうね。
「人間は考える葦である」という言葉やパスカルの定理などで知られますが、キリスト教の教鞭者でもあったそうです。
こういう天才は教会キリスト教に反発を持たなかったのかなと思いますが、イエズス会の道徳観がたるんでいることを非難するにとどまっていたようです。
ただ、神の証明に躍起になっていた当時の哲学神学界の中で、神は違う世界のものだから神の存在は証明できない。ただ、神を信仰することが神を信仰しないことより優位である。という風に違った視点で一石を投じたようです。かっこいいですね。
宗教を信じない人にとっても宗教を信じることを馬鹿にできないようにする理論を作ったということですよね。
宗教者の中に居ながら無神論の立場で宗教者の利益を考えるというのが懐疑主義の本領のような気がします。
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