神は人々に食物を与え、悪魔が料理人を与えた。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
おもしろいですよね。
この本、原典がある場合はカッコ内で出典が書いてあったりするのですが、ない場合はトルストイの言葉であると書かれています。
しかし、これはイタリアの諺であるとかイギリスの作家ジョン・テイラーのことばであるとか所説あるみたいです。
ここでは貪食は罪だ、というニュアンスです。
トルストイ的には食を楽しむというのにも罪を感じていることが多いですね。
罪を感じるのは生き物の命を奪っているからですが、そうであれば純粋な恵みのみで生かしてほしかったですね。
実際のところ、人間が特別であるという観念が動植物食に罪を感じさせる原因であると考えられますので、一神教の傲慢さとも言える人間優位の態度のデメリットとも言えそうです。
人間とて動物だという謙虚さがあれば食に罪を感じる理屈はなくなると思います。
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