『文読む月日』-2月22日

文学

神――それはわれわれが自分自身をその一部分として意識するすべての謂である。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

本日のテーマの中は、老子の「道」や神をどう認識できるかという内容でした。
どこかにある人格として神を捉えるのではなく、個々の意識に内在するもの、精神、思考、または存在そのものが神の存在の顕れとして認識される、という感じですかね。

ロシアの寓話に、水の中にいる魚が水というものがあるらしいと知って、物知りな年寄りの魚に水とは何かを聞く話があります。年寄り魚は常に我々の周りにあるもの、なくてはならないものであると答えます。
水の外では生きられない魚は水を実体験として知ることができない、翻って、物質に縛られている人間は神のことを知ることができない。
しかし、神がいることは確かに感じられる、という趣旨でトルストイはこの寓話を引用しています。

老子の「道」も似たようなニュアンスで説明されると思います。
神について、世界の源について、それぞれの賢人が似たような思想を持つことがおもしろいですね。

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