『文読む月日』-12月26日

文学

幼年時代は、心理的に暗示を受けやすい時代である。それゆえ教育上一番大事なことは、子供に影響を及ぼす暗示を厳しく選ぶことである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

多くの親にとっての悩みである、子を良い子に育てるにはどうしたらいいかという点についての考えがありました。
子供は影響を受けやすいから与える影響は吟味しなければいけない、加えて、他のページとも一貫していますが、大人が行動で示さないといけないということも書いてありました。

なんでもそう思っているのですが、自分のことを棚に上げないと人に教えることはできないと思います。この日のテーマについては、自分が体現しているべきということが全面にあるような気がします。
信仰や思想が説教する内容については、自分ができるようになっていることが良いことなのは当たり前ですが、それができないので永きにわたって教訓になっているってことですよね。

他人への教育(暗示を与える、影響を与える)ということは、紙一重で人を裁くという方向へも行きやすいことと思いますから自分も感じている難しさでもって共感しながら接していけるといいと思いました。

トルストイの思想としても人が人を裁くことについては否定的だったと理解しています。
裁判や軍・警察はその象徴としてよく作品にも登場していました。
人を裁いて不利益を与え、道徳的にも堕落させてしまうという効果の反対には、同情や共感に基づく善い行いが描かれていたように思います。

子供の教育についてもあれこれ裁くのではなく共感しながら対処し、大人の善い行いを見せていけるといいですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました