『文読む月日』-12月24日

文学

自ら精神的に成長し、人々の成長にも協力せよ。それが人生を生きることである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

クリスマスイブですがお説教は続きます。
道徳版マルチ商法。

トルストイの著作の中にはたびたび、肉体の成長と精神の成長は反比例するように成長していくような記載があります。
肉体の欲求が優位な時は精神の欲求が落ち込み、精神の欲求が優位な時は肉体の欲求を抑えることができるというふうに。
自ら精神の欲求による(善や道徳に根差した)行為をすること、その中に人々をそれに巻き込むことが含まれるのか、それとも理性によって敢えて行うべき努力なのか、どう考えていたのか気になります。

つまり、善行の中に他人に善行をさせるように促すことが含まれるのか。
トルストイが影響を受けていたという老荘思想では、聖人はその光で他人をも善に導くそうです。
善行をさせるように理性で促すというよりは、善い生き方が自然と周りに影響を与える、というイメージの方が近いと思っています。

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