『文読む月日』-12月23日

文学

博学と叡智はめったに両立しない。学者は多くのことを知っているが、たいていは不必要なこと、怪しげなことである。真の賢者はそうたくさんのことは知らないが、彼の知っていることはみな自分にも人にも必要なことであり、また知っていると言ったら、確実に知っているのである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

ここでいう叡智とは、人生を幸福に過ごすためのもの、道徳や宗教的に模範として生きるための知恵と理解しています。
多読は毒、雄弁は無能、学者(弁護士)は小狡いというのがよく出てきます。
老荘思想にも似たような教えが出てきますね。
道を弁えている人は多くを知らないようにすることでかえって全てを知る、みたいな。

また、トルストイは実学を重んじていたとどこかで見ました。
何の益になるかもわからない宇宙の片隅の星の位置を計算するより畑を耕せというように。
実際のところ、自然科学が高度になった今では、基礎研究や何の役に立つか分からない研究が後に点と点が繋がって人類を助ける大きな実益を生むことがあるので今となっては賛成できないと考えています。

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