真にすぐれた食物は、汝ら自らあるいは汝らの子供らの労働によって得られた食物である(マホメット)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
今日は人間すべて農耕せよという内容でした。
食料自給率の低さが取り沙汰される日本にあっては身につまされる内容です。
(日本人は遺伝的に不安を感じやすいと言われますが、少子高齢化と食料自給率に関しては楽観的ですね)
どういう経緯があって農耕が万人に必要だとされているのかは疑問が残ります。
トルストイの著作では土地を持つものはすべて自分で耕すことが理想であると読んでいますが、小作人を搾取するのはよくないという前提しか感じませんでした。
奴隷的に搾取されるのは可哀そうだというのは気持ちとしては分かるのですが、それならきちんとした対価が払われる身分的に対等な雇用形態であればいいのでしょうか?
自らの手で耕せばそんなややこしいことは考えないでいいので耕せよ、ということであればそれまでなのですが。
箴言の引用も『タルムード』やマホメットの箴言も、歴史的には支配者からの「ちゃんと働けよ」という言葉のように思えてしまいます。
唯一ジョン・ラスキンの箴言で労働の中で動植物との関わりを育めて健全だ、みたいなことが書いてありましたが弱いな、と・・・
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