『文読む月日』-1月8日

文学

キリストの教えの実現のためには、その歪曲を取り除くだけで充分である。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

トルストイは、キリストの教えそのものは単純で明快であり、愛や慈悲、非暴力といった道徳倫理に基づいていると考えていました。ところが、歴史の中で教会などによってその教えが歪められ、原初キリスト教が否定していた儀式、権威主義、権力の道具としての宗教として歪められてしまったことを批判していました。

(教会キリスト教ではなく)キリスト教に目覚めてからは個人の内的反省や聖書、世界の宗教に普遍的に存在する考えをまとめ上げ、人びとは良心に従った実際の生活の中でのみ人生を善く生きることができると考えていたのだと思います。

そういう考えだったので、歪められたキリスト教という話が度々出てきます。
キリスト教が持つ本来の道徳的・倫理的効果を発揮するためには教会キリスト教や権威的なキリスト教を除くだけでよい、というのがこの主張です。

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