善き人々は、あえてそのことを意識せぬまま互いに助け合っている。しかしながら悪しき人々は、意識的に互いに敵対行動をとるものである。(中国の俚諺)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
今日は善悪観がテーマです。
中国の俚諺とのことですが本当にあるかは知りません。
ただ、ここには善行は自分本位から超越しており、意識せずとも自然に行われることであり、悪行は意図して行われるものである、という思想が表れています。
つまり、人間の根本は善であって、悪は人間の思考によって人工的に作り出されるというスタンスであることが言えると思います。
根本が善なのは、精神が霊によって存在するという前提があるからでしょうか。
悪意がなければ人びとは調和していくこと、自分本位ではなく、善を意識することで社会が調和していくという思想と言えそうです。
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