『文読む月日』-1月27日

文学

賢者はそれが自分にとって有利だから愛するのではなく、愛そのもののなかに幸福を見出すから愛するのである。(パスカル)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

パスカルの箴言です。おそらく『パンセ』からのものではないかと思います。
『パンセ』は「人間は考える葦である」「クレオパトラの鼻が低かったら世界は変わっていただろう」など、印象的なフレーズが有名ですね。

パンセ(思想)は、キリスト教の思想を一般人にも納得できるようにし、さらに思想の追求を深められるように、という目的の本だったそうです。
そういわれると日本には縁遠い宗教思想のようですが、より抽象的には普遍的な受け取り方ができるようになっていると思います。

「愛そのものの中に幸福を見出すから愛する」についてですが、人間は利己的で外的な要因に依存する愛では満足を得られないか、一時的にしか得られないけれども、そうでない無条件の愛は純粋で内的な満足を得られるものであると言っているようです。
自分が他者を愛していること自体が目的になるので、他者や社会の目や自己犠牲は気にしません。

こうなると自分や家族の命や安全をどこまで犠牲にするかが気がかりになりますよね。
個人主義が強くなってきている今、その落としどころが大事だと思います。

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