『文読む月日』-1月26日

文学

世の財宝をもちて兄弟の窮乏を見、かえって憐憫の心を閉ずる者は、いかで神の愛その内にあらんや。子らよ、われら言と舌とをもて相愛することなく、行為と真実をもてすべし。(「ヨハネ第一公書」第三章一七~一八節)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

気持ちの中だけの信仰ではなく、それと一致した行動に価値があるということですね。
トルストイの作品の中では、度々心の中が善良でも行動が伴わなければ価値が無いと描写されています。

『ヤコブの手紙』2章17節でも「信仰も行いが伴わなければ死んでいる」という言葉がありますから、
原理キリスト教でも行動にこそ価値があるという考えでしょうか。
実践ということでは、『マタイ福音書25章40節』に「これら最も小さい者たちの一人にしたのは、私にしたのです」という隣人愛の具体的な実践の描写がありますね。

また、財産的に窮乏している人に寄付する文化は古今東西色々な宗教に見られます。
ヒンドゥー教でも、ユダヤキリストイスラムでも、仏教でも貧者救済(ついでに自分たち宗教者への布施としても)の意味で功徳のある行為という概念ですね。

イスラムでは救貧税としてこの概念が制度化されているそうですね。
宗教というバックボーンがある国は動機がはっきりしているからいいですね。
それでもよいように使われるかは運用する側次第なのですが。

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