『文読む月日』-1月21日

文学

われわれは、世のなかで一番大事なことは、何か目に見える仕事、たとえば家を建てるとか、畑を耕すとか、家畜に餌をやるとか、果物を収穫するとかいった仕事であって、自分の霊などといった、なんだか目に見えない代物のことを考えるのはちっとも大事ではなく、やってもいいけどやらなくてもいいこと、といったふうに考えている。ところが本当は、霊のことを考えるということだけが、つまり毎日少しずつでも善良な人間になってゆくということだけが本当の仕事であり、その他いっさいの目に見える仕事は、その霊のことを考えるという仕事がなされているときに、はじめてわれわれに益をもたらすのである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

霊のことを考える、内省や自己改善の努力のことだと思います。
時々祈りについての話も見ますが、このような霊のことを考えることが祈りの本質と言っているのかなと思います。

たしかに、そうすると祈りに偶像やイコンは不要ですし、ましてや権威や押し付けは害にすらなりますね。

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