外的世界はそれ自体として、実際にはわれわれがそれを認識するそのままのものではない。それゆえこの世の中の物質的なものは、みんなそう重要ではない。では何が重要であるか? あらゆる存在者にとっていつでもどこでも間違いなくただ一つであるところのもの、すなわちわれわれの生命の霊的本源こそ重要である。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
私たちが生きている世界はすべて認識を通して理解されるため、世界そのものの存在を理解することができないという認識論的な観点ですが、そこから宗教に解決をもっていっていますね。
ここではもちろん霊的本源=神なのですが、人間の本質は霊(精神)という考えも一緒に表現しているように思えます。
物質世界は肉体的な制限のもと認識されますが、本質的には霊によって直感することがただ一つの確かなものを理解する方法である、ということですね。
ちょっとスピリチュアルな感じですが、神とか霊とかが科学的に代替できれば実践的な思考方法になる気がします。
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