競争心から何も美しいものは生まれず、高慢心から何も貴いものは生まれないことを忘れないがよい。(ジョン・ラスキン)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
自然に従って高潔に生きた結果から生まれた物が美しかったり貴かったりするのは直感的に分かりやすいですし、かっこいいですよね。
実際は受け取り手の価値観次第というのは適用できると思うのですが、こういう狙ってないけどすごいものができたという感じに憧れるのは古今東西一緒なんでしょうか。
ジョン・ラスキンは美術批評家ですから、この箴言は美術の文脈で言われていたことなんでしょう。
しかし、その根底には敬虔な福音派の過程で育ったキリスト教観があります。
産業革命が起きたイギリスにあって、競争心や高慢心という言葉から当時の世相が思い浮かびますね。
その流れに反発した言葉なのかもしれません。
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