過去、現在、未来に渡って、人間がその全生涯を賭けるに値する仕事がただ一つだけある。それは人々との愛による心の交流であり、彼らとのあいだに作り上げた障壁の打破である。
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳
どんな時代にも普遍的な、人間の生きる価値を力説しています。
人間はすべて同じ世界に存在する同胞であり、単なる利害や情報だけの交流ではなく、愛による心の交流こそが生きる価値であるとのことです。
トルストイの他の著作でもよく出てくる、人々を融和させることが善であり、分裂させることは悪であるという思想も、この主張(人間の生きる価値)に演繹されていますね。
色々なことで分断しまくっている人類ですが、個人個人が心の交流をしていくこと目指し、そうできる間柄だけで生活できればいいんですがね。
政治とか国とかに体を預けるよりもそういう小さい集団に回帰していくのが現代個人主義の行く末のような気もします。
一族互助、社会保険の高齢者負担なんかは意外と一番先にそうなっていくんじゃないでしょうか。
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