『文読む月日』-6月7日

文学
自分には厳しく、他人には寛大であれ。そうすれば君は敵を持つことがないであろう。(中国の金言)
『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

この言葉の出典は分かりませんが、おそらく『論語』の思想を簡単にかいつまんだ言葉なのでしょう。
『論語』には「己に克ちて礼に復るを仁と為す」という言葉があり、自分を律することが仁に至るために大事なこととしています。
『中庸』には「小にして怒るは小人なり」とあり、他人の些細なことに怒る人は器が小さいのでよくないこととされています。
『老子』には「聖人は己を後にして人を先にし、己を無として人を成す」とあり、自分を控え目にして他人を立てる態度が立派だとしています。

このような古代中国の思想を金言と捉えたということでしょう。
日本にも、自分に厳しく他人にやさしくというフレーズは馴染みのあるものですが、儒教の教えの影響が強くあるからこそかもしれませんね。

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