『文読む月日』-5月22日

文学

およそ真に偉大な事業は、徐々に、目立たぬように達成される。(セネカ )

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

キリスト教の書物で度々出てくる、神の国は徐々に近づけりというような考えは何なんでしょう。
おそらく、この言葉もその意味合いで引き合いに出されたのだと感じます。

常に少しずつでも世界は良くなってきていると信じるのはポジティブでいいですが、1000年も2000年も言い続けていると流石のキリスト教徒でもネガティブにならないのでしょうか。

セネカ自身は古代ローマのストア哲学者で、日々の過ごし方が大事であるというような意味での言葉でしょう。
昨日は一日一善でしたが、今日は千里の道も一歩からという言葉が近いでしょうかね。

ストア哲学はキリスト教とも密接で、関わってきた歴史も深いからか、トルストイのこの本にもストア哲学者がよく出てきます。
ストア哲学には神の人格や霊魂の永遠性などは持ち合わせていないと思いますが、親和性の高い考えも多いようです。
これもその一つでしょう。

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