『文読む月日』-4月23日

文学

海の彼方に幸福を求めるな。真に必要なことを容易にし、必要ならざるものを困難にしたまいし神は褒むべきかな!(グリゴリー・スコオローダ)

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

当時から自分探し系の人たちを揶揄する気持ちはあったんでしょうかね。
グリゴリー・スコオローダでググっても情報が出てこないのですが、おそらく18世紀ウクライナのフルィホーリイ・スコヴォロダという人のことのようです。

古今東西で自分探し系の人に対して使われる、幸せは自分の足元に落ちてるよ系のカウンター名言っぽい感じです。
彼の思想としては、ソクラテスの自覚論に基づいて、人間は自らの目に見えない本質を知れば幸せになれると考えていたので、世界のどこかに実在しているかもしれない目に見える形での幸福や真実については否定しているようですね。

この人のことは全く知らなかったのですが、「ウクライナのソクラテス」とも言われているようで、著作の形もバロック問答のような古典、あるいは聖書的な形式だったらしいです。
形式宗教や表面的学問には批判的で、内なる声に従って生きよという思想の人物だったそうで、トルストイの思想とも親和性がありますね。

善き人生を送るなら余計な事は困難になっているし、人生は必要なことは簡単にできるようになっているよ、という箴言でした。

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