『文読む月日』-4月17日

文学

己れの生命の意義をはっきり理解するこもなしには、換言すれば、信仰というものを持つことなしには、われわれはいつなんどき従来の生活の基盤を放棄して、それまで呪っていたような生活の基盤に立ちはじめかねないのである。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

前日と続きのような箴言ですね。
自分の思想、行為に責任をもつことができなければ、世俗に流されて良心が忌避するような行為を行う生活を送るハメになってしまう、という理解でよいかと思います。

信仰の実践=良心に従って善く生きるという風な思想ですから、このような生活は世俗からは奇妙に見えたり、馬鹿にされるといったような生き方に映ることが言及されています。
しかし、良心に従っている人から言えば、世俗は物質的欲求に負けたり、人々の対立を促したり、弱者を搾取したりといった現実は呪うべき生活というわけです。

子供の頃は誰しもが良心に従って生きているという素朴な前提があるように見えますが、大意としては良心に従う、責任ある生き方をすべきであるということになると思います。

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