『文読む月日』-4月3日

文学

死をも恐れず、またそれを願いもしないといった、そんな生き方をしなければならない。

『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳

度々死についての考えが出てきますが、いずれの場合も死を認めた先に真の生がある、というようなニュアンスのことが書いてあります。
死を恐れてばかりいると積極的な人生は送れず、かといって死を無視した生き方をすると堕落した生活に陥ったりしてしまうということみたいです。
いつか死ぬことは認めつつ、その時のために良心に従って生きることが生の目標を作り、死に際しても後悔のない、死を恐れる必要のない人生が送れるのだという考えです。
また、死への恐怖については肉体と精神(霊)の二元論の立場で、死ぬことは単に肉体を失うだけであり、精神は神へと還るのだから永遠であるという考えで乗り越えようとしているようです。

霊が神へ還るということで恐怖を乗り越えられるのかは分かりませんが、自我や現世利益については重視していないということは分かります。
むしろ、軽視することによって死や苦しみに対するストレスを軽減しているのでそこをいかに信じるかが重要ですね。

言葉として表出している、死を恐れずまたそれを願いもしない生き方というのには賛成しますが、その根拠となる部分が肌に合いません。
まず精神と肉体の二元論から始まっているところから理屈を作り直さないとこの違和感はなくならないのではないでしょうか。

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