2025-03

文学

『文読む月日』-3月9日

この記事について武装された世界と戦争、この二つがいつの日かなくなるとしても、それはけっして皇帝たちやこの世の権力者たちの手によってではない。彼らにとって戦争はあまりにも有利だからである。戦争は、戦争のおかげで一番苦しむ人たちが、自分たちの運...
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『文読む月日』-3月8日

この記事について誰もいないところでひとり祈るのはいいことだし、大事なことでもあるが、君が娑婆の喧騒のただなかにあって、昂奮したり熱狂したり苛立ったりしているときに祈るのは、何よりも大事なことである。そのようなときに自分の霊を思い神を思うこと...
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『文読む月日』-3月7日

この記事についてすべての肉体労働は人間を高雅にする。子供に肉体労働を教えないのは、――彼を将来掠奪者にする準備をしているようなものである。(『タルムード』)『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳タルムードというのはユ...
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『文読む月日』-3月6日

この記事について神への愛なき隣人愛は、根のない植物のようなものである。神への愛なき人間愛は――われわれを愛する人間、われわれの気にいる人間、美しくて楽しい人間に対する愛にすぎない。そのような愛は、しばしば愛から憎へ転化するものである。神を愛...
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『文読む月日』-3月5日

この記事について人からよく言われたいと思うなら、自分で自分のいいところを並べ立てないがいい。(パスカル)『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳この言葉は今の日本でも素直に受け取れる言葉だと思います。処世術みたいな箴言...
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『文読む月日』-3月4日

この記事について神は人々に食物を与え、悪魔が料理人を与えた。『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳おもしろいですよね。この本、原典がある場合はカッコ内で出典が書いてあったりするのですが、ない場合はトルストイの言葉であ...
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『文読む月日』-3月3日

この記事について汝の右の手のなすことを、左の手に知らしむべからず。(「マタイ伝」第六章三節)『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳親切や施しをする時には、右手でする場合左手にも知られないくらいこっそりやりなさい。とい...
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『文読む月日』-3月2日

この記事について君がいかなる境遇にあろうとも、そのために人間としての使命を果たすことができないと考えてはいけない。われわれは地上のいかなる地点にあろうと、等しく人間としての使命にも、無限的存在者にも近いのである。(アミエル)『文読む月日』ち...
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『文読む月日』-3月1日

この記事についてもしも死が、われわれが眠ってすっかり生命の意識を失うときのような、あんな状態であれば、われわれはみんな、その状態のなかには別に何も恐ろしいものはないことを知っている、とソクラテスは言った。またもし死が、大勢の人々が考えるよう...
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『文読む月日』-2月29日

この記事について完全性は神の本性であり、完全性を願うは人間の本性である。(ゲーテ)『文読む月日』ちくま文庫 レフ・トルストイ 作 北御門二郎 訳一神教の世界観を成り立たせるものとして、神の絶対性がありますね。一神教でなくとも、世界を開始させ...